沖縄に緊急事態宣言が出る前、5月某日、沖縄那覇市のホテル コレクティブに行ってきました。羽田—那覇の減便が続く中、それでもお昼過ぎには那覇に着きたい、復路は早めの夕食まで楽しめそうな時間まで那覇にいたい、という希望のフライトは健在でした。出発直前に、那覇空港でPCR検査の陰性か否かを聞かれる、空港内で検査が可能、などの情報が飛び込んできましたが、那覇空港内のPCR検査場やその案内は全く目にしないまま、普通に到着してそのままタクシーでスムーズに那覇市内に向かうことができました。

空港からはわずか15分ほどで那覇の中央部、国際通りに到着。国際通りの中程に「そびえ立つ」と言っても過言ではない大型ビルが出現。あ、エントランスに見覚えがあるハートのオブジェ。そう、ホテル コレクティブです。国際通りに面した側は車を停められないので、建物の裏側に車寄せがあり、タワー式の駐車場もホテルの裏側にありました。タクシーのドライバーがその車寄せの存在を知らず、中途半端な場所で車から降りてしまいましたが、皆さん、タクシーで当ホテルにご到着の際は、ドライバーさんに「裏側に車寄せがあります」、と教えてあげてください!その車寄せのエントランスの前には立派な(自慢の)琉球松が植えられ、沖縄の守り神シーサー象(2体一組)が家内安全と無病息災を願いつつゲストを迎えてくれます。獅子が沖縄の方言(うちなーぐち)でシーサーとなったそうです。

ホテル コレクティブは那覇初のフルスペック・シティーホテル、という表現を何度も見聞きしていたので、「那覇の他のホテルには揃っていない、施設が完備されたシティーホテル」であることを事前に認識しておりましたが、ホテル コレクティブはすべてにおいて予想と期待をはるかに上回るホテルでした。しかも、アーバンリゾートと呼びたくなる雰囲気が満載で、那覇だけでものんびりと休暇を楽しめるという確信も持ちました。期待を上回った点を一つずつご紹介していきます。

 

客室 — ジュニアスイート

全260室のうち、各フロアに1室ずつ、わずか9室しかありませんが、ジュニアスイートがかなりお勧めです。寝室には琉球畳を敷いた和の空間があり、ごろんと寝転がることもできるスペースが新鮮でした。ジュニアスイートという名称ながら、寝室とリビングは扉で完全に仕切られ、独立したリビングルームには、65インチのテレビが備えられています。寝室のテレビも65インチで、これは気分が上がります。

 

ジュニアスイートのみならず、通常の客室にも、琉球ガラスの特注ランプが備えられており、沖縄らしさを感じさせてくれます。そして全室共通の洗い場があるおうちっぽい広いバスルーム、又々おうちっぽくスペースがしっかり確保されたトイレが居心地の良さをアップしてくれます。そして感心したサービスの一つが、客室内の冷蔵庫に、毎日オリオンビールとお茶が2本ずつ届くこと。冷蔵庫も冷蔵機能が優秀で、よく冷えたビールが楽しめましたよ。もう一つ感心したのが、客室の家具。R(アール)が多い、つまり角がほとんど無いこと。デザイン上のこだわりもありますが、家具の角にぶつかって痛い思いをすることってありますよね。そんなことが無いように、という心遣いですべての家具を特注しているそうです。

客室 — プレジデンシャルスイート

那覇で最大級の広さ、161㎡のプレジデンシャルスイートはWOWでした。最上階の13階からの景色は市内全体を見渡すダイナミックなビュー。広々としたリビングルームには、バーカウンター、中国料理店の豪華個室にあるような円卓、ソファのエリアが揃い、大型スクリーンを天井から降ろすと、プライベートシネマルームに早変わり。実際、20人ぐらいの上映会も可能です。さらに驚いたのが円形ジャクージ付きのバスルーム。バスタブからテレビがみられるからといっても誰も驚きませんが、ドライサウナとミストサウナ完備にはびっくり。そして、このプレジデンシャルスイートは13階の廊下の端に位置するのですが、その手前の客室5室とあわせて、トータル6室を廊下に作り込まれた扉で仕切ることで、完全プライベートな、貸し切りのスペースができあがるのです。スーパーセレブがお付きの人と一緒に、フロアの一部をチャーターできる、というアイディア、秀逸ですね!(プレジデンシャルスイートに関する予約やお問い合わせは、ホテルに直接、要ご連絡です。)

13階にはAltitude(アルティテュード)というエグゼクティブラウンジがあり、プレジデンシャルスイート、ジュニアスイートのゲストと、13階のプレミアツインのゲストにご利用いただけます。朝食、ティータイム、夕方のカクテルを無料で用意しています。このラウンジは屋外エリアも備えており、1日一組限定のBBQディナーをそこで楽しめるジュニアスイート限定パッケージもあるそう。数年後に、首里城が再建されたら、このラウンジの屋外エリアから見ることができますよ。(撮影時は、緊急事態宣言前でしたが、ラウンジはクローズしていたため、無人の状態で撮影させていただきました)

 

レストラン — 居易園(きょいえん)

沖縄のNo.1中国料理と聞いておりましたが、期待通り、美味しい中国料理メニューと飲茶メニューが揃っていました。おちついた雰囲気のウッディーな内装も素敵でした。曜日により食べ放題の飲茶ランチやディナーのサービスもあり、地元のゲストにも大人気。入り口にレストランのマスコットのような存在の「ふーちゃん」のオブジェが置いてあり、今はマスク姿ですが、見る人がふっと笑顔になれる清涼剤のような存在でした。

  

レストラン — Vision & Emotion(ヴィジョン&エモーション)

オールデイダイニングは、朝食と昼食時はヴィジョン&エモーションの名称でインターナショナルビュッフェを提供。普段、あまりビュッフェに食指が動かない私ですが、このランチビュッフェは自信を持ってお勧めできます。バラエティーが豊富なことはもちろん、各アイテムの質が高いことに驚きました。寿司カウンタでは、注文してから握ってくれますし、天ぷらも注文してから揚げるので熱々の天ぷらをいただけます。豚シャブコーナーでも、注文後に豚肉、野菜、麺を鍋にいれてしゃぶしゃぶ。パスタも目の前で茹でたての麺を調理してくれますし、ローストビーフのクオリティーも高かった!私自身はデザートまでたどり着けませんでしたが、パティシエが腕をふるうデザートは14種類もあるそうです。あ、デザートコーナーとは別にあったアイスクリーム用の冷凍庫で、沖縄の有名メーカーBLUE SEALの紅イモを見つけて、これはいただきました。沖縄らしいチョイスですよね。 このランチビュッフェは、レストランの開店前に列ができることも、前日は完全に満席だった、という話も納得がゆきました。

レストラン — La Plata(ラ・プラータ) 碧海庭(へきかいてい)

夜になるとこのオールデイダイニングはラ・プラータ及び碧海庭と名前が変わり、メニューもスペインのタパス料理と創作和食料理のアラカルトに変身します。レストランは一つなので、タパスと和食メニューをミックスでオーダーすることも可能です。今回、メニューにはない琉球料理のフルコースを日本料理の上原料理長がお試しで用意してくれました。上原シェフは沖縄県が現在69人のみ認証している「琉球料理伝承人」の一人です。ラ・プラータのメニューに、沖縄料理のアイテムはいくつか入っていますが、本格的な琉球料理(オジリンは琉球時代に首里城で外国からのゲストをもてなすために生まれた宮廷料理だそうです!)はこれから提供予定とのこと。今まで知っていた沖縄料理とは異なる分野で、その繊細な味付けや盛りつけは、おそらく日本料理の技法も取り入れられており、ホテル コレクティブならではの琉球料理となりそうで、乞ご期待です。

 

バーラウンジ — Divertido (ディベルティード)

前出のレストランと同じ4階に位置するバーラウンジは、美しい青い琉球ガラスのカウンターがひときわ目をひきます。奥にある、4-5人で利用できるプライベートルームの絵画も、その手間に飾られている(よく見ると)糸で描かれたジミヘンの絵もかなり雰囲気ヨシでした。でも、特筆すべきはここのハッピーアワー。なんと60種類以上のメニューが午後3時から7時まで表示価格の50%off という破格のサービス!特別銘柄は除くとはいえ、十分美味しいお酒が楽しめます。次回、3時にチェックインしたら直行ですね(笑)。

  

ディベルティード横のドアから外にでるとホテル コレクティブ自慢のアウトドアプールに直結します。25mの開放感あふれるスイミングプールは、このホテルのロケーション(国際通りのど真ん中)を一瞬忘れさせるほどのリゾート感。プールサイドテラスでは5月から11月まで、ビアガーデンも楽しめます。夜のプールのライティングも幻想的で、夜風に吹かれながらしばしぼーっと眺めていたくなるようなプールでした!

 

アーバンリゾートと呼びたい

那覇、国際通りのど真ん中のシティホテルでありながら、リゾート感も満載のホテル コレクティブ。私は「サウナー」ではないので今回見学しただけですが、ドライサウナ、ミストサウナ、水風呂、湯船、シャワー、休憩エリア、ロッカーエリアが完備されたサウナ&バスルームもリラクゼーションに最適でしょう。客室は居心地ヨシ、館内にはフィットネスルーム、スパももちろん完備、食事のクオリティーも高いとなったら、那覇市の中心地でありながら、ホテルから一歩も出ないお籠もり型リゾート的な滞在もアリだな、と思えるアーバンリゾートでした。

*沖縄県の緊急事態宣言発令に伴い、一部のレストランが休業、及びサービス内容の変更などがあります。

Texts: Yuki Obara

Photos: Hiro Matsui (一部除く)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Post Navigation