最も日本人(に限らず世界中の人)に人気の筆頭にあがる国の一つ、イタリア。
その中でもローマの人気は、その世界遺産の数もさることながら、歴史を感じる遺跡が普通に街の一部となっている、ワン・アンド・オンリーな場所であるが故でしょう。コロナ禍じゃなければ、スペイン広場周辺も、ハイブランドのブティックやオシャレなカフェが並ぶコンドッティ通りも、人、人、人で溢れます。だから人混み多い昼間を避けて、あえて夜スペイン広場に行ってみると、まるで違う景色と空間を味わうことができます。つまり、徒歩で移動可能な、便利なロケーションのホテル選びが重要だ、という話です。

 

2013年からドーチェスター・コレクション傘下となったホテル・エデンはスペイン広場から歩いて3分という恵まれた立地に立ち、2019年に130周年を迎えた歴史あるホテルです。2017年の大型リノベーションを経て、随所に最新技術を導入し、明るいモダンな雰囲気にしつつ、歴史を感じさせる、オールド&ニューの融合の成功例です。

年が明けたら、アフター・コロナの旅プランをそろそろ考えたい時期ですね。ローマまで直行便があるアリタリア・イタリア航空も、日本発着は現在運休中ですが、2021年の3月から週3便、4月からはデイリーフライトを復活させる予定だそうです(2020年12月7日現在)。ローマへの旅をお考えの方に、ホテル・エデンの魅力をその特徴的なスイートや、フェデリコ・フェリーニがお気に入りだったルーフトップのレストラン&バーの情報を交えてご紹介させていただきます。

ホテル・エデンの正面玄関はファサードが美しく、常にイケメン(?)のドアマンに守られており、彼らに迎え入れられるように入館すると、半円を描く書棚に囲まれた美しいロビーラウンジが目の前に広がります。おもわず小走りにラウンジに入り、(急ぐ必要は全くない)早くも携帯写メの連写です。ホテルスタッフにチェックインの手続きをしてもらっている間に、なんと、ウェルカムアイスクリームが。ああ、ローマ!さらに、スタッフからラウンジの秘密の仕掛けを教えてもらうと興奮せずにはいられない状況となりました。書棚の一部の扉を開くとイタリアの人気紅茶ブランド「ラ・ヴィア・デル・テ」のテイーコレクションがお目見えします。もちろん、ロビーラウンジで、お茶をゆっくり楽しむことができます。さらに秘密の扉を開けると、バーのセットが飛び出す仕組みです。これは夕方以降限定ですが、お茶もカクテルも似合う、素敵なラウンジに思わず拍手せずにはいられませんでした。

さて、次は、ホテル・エデンのルーフトップにご案内します。丘の上とも言える立地の屋上ですから、素晴らしいパノラミックビューは、ローマ市街からバチカンまで見渡し、夕暮れ時のカクテルタイムに最高のロケーションです。最上階には、ミシュラン1つ星の「ラ・テラッツァ」、オールデイダイニングの「イル・ジャルディーノ」があります。この「ラ・テラッツァ」こそが、かのフェデリコ・フェリーニのお気に入りであり、かつて、チャールズ皇太子がローマに行くと必ず予約した席があったことは有名でした。両レストランを統括している総料理長はシェフ・ファビオ・シエルヴァで、彼は大学で栄養学を学び、論理的な食の研究に余念がなく、ただ単に美味しいイタリアンではなく、健康と栄養を重視したイノベーティブなメニューを目指しています。そのせいか、厨房を研究所(ラボラトリー)と呼び、その研究所で紹介されたスーシェフは、ナント、管野百合子さんという日本人でした。健康的で栄養満点な日本食の情報がスーシェフからインプットされ、シェフ・ファビオのメニューに反映される日も来るかもしれません。

ラ・テラッツァの隣に位置するイル・ジャルディーノにはテラス席もあり、サンサンと降り注ぐ直射日光をものともせず、オシャレなイタリア人達がアルフレスコダイニングを楽しむ姿は、ファッション雑誌の1ページを見ているようでした。外席の気持ちがいいことは一般的な旅行者にとっても同じ! シャンパングラスを片手でバチカンの方向に持ち、景色と一体化したショット(インスタグラマブル!)は、国籍問わず誰もが一度は撮りたくなる撮影風景でした。そして、イル・ジャルディーノのお勧めは何と言ってもピザ。いわゆるローマ風の生地が薄くてパリパリ食感のものとは違い、シェフ・ファビオがピザの9種類の具ごとに4種の小麦粉を彼独自の配合で混ぜて作る生地なのです。彼はなんと元体操の(しかも吊り輪)選手で、沢山たべても胃がもたれない(そう、つまり沢山食べられる)ヘルシーなピザを考案していました。確かに厚手の生地なのに、美味しいこともあり、かなり沢山食べられますよ!

ホテル・エデンの代表的なスイートを2つご紹介します。まずは、ドルチェヴィータ・スイート。フィリーニの代表作の一つ、1960年公開の「甘い生活」(ドルチェヴィータ)を冠したスイートです。リビングのレコードプレイヤーには、イタリア映画のサウンドトラックを集めたヴァイナル(レコード)「La Dolce Vita」が置かれています。さらに、室内にはこの映画の数々のシーンの写真や、写真集も展示されており、どっぷりとドルチェヴィータに浸ることができます。さらに女性を魅了するウォークインクロゼットがありました。中央に置かれた素敵なケースの中にはMEMO Paris の14種類ものフレグランスが並べられています。女優気分で、お気に入りの香りを身にまとえる・・・なんて贅沢な、まさにドルチェヴィータな体験ですね。

 

 

そして、もう一つのスイートは、メディチ・プレジデンシャルスイート。ホテルに隣接するボルゲーゼ公園内にあったヴィラ(邸宅)の名を冠したスイートで、ジョンFケネディJrなどの高官が数多く宿泊しています。このスイートには6つもバルコニーがあり、その豪華さは、家具、壁、床のディテイルに及びます。スノーホワイトマーブルと呼ばれる大理石がまばゆいバスルームは、ゴールドのアクセントで、豪華さに磨きがかかります。バスルームと言えば、ホテル・エデンのバスルームアメニティは全室ボッテガヴェネタ。世界で最初にボッテガヴェネタのアメニティーを採用したのがホテル・エデンでした。

Texts by Yuki Obara / Photos by Hiro Matsui

パリのドーチェスター・コレクション「ル・ムーリス」のシェフ・パティシエのセドリック・グロレがNHKの世界の素敵を探す旅「世界は欲しいモノにあふれてる」に登場します!彼の素晴らしいクリエーションとその魅力を日本の皆様にお届けできますように✨
2020年11月26日(木)
NHK 午後10時半から午後11時15分
どうぞお見逃しなく😊

ヨーロッパ(イギリス、フランス、イタリア)とアメリカに9軒のみのラグジュアリーホテルを所有・運営するドーチェスター・コレクション。ロンドンの旗艦ホテル(ザ・ドーチェスター、ロンドン)以外はすべて歴史を背負うとも言える独自の名称のため、ホテルグループとしてのブレンド名が目立ちませんが、ドーチェスター・コレクション=その土地を代表するレジェンド・ホテル、であることを語らせていただきますね。9のホテルはテーマカラーが決まっており、ミラノのホテル・プリンチペ・ディ・サボイアは水色。客室のメモ帳、ギフトを入れる紙のバッグも水色に統一。そうそう、レオナルド・ダ・ヴィンチの幅5センチもあるハードカバーの本と一緒にギフトとして部屋に届いたカエルのぬいぐるみも水色でした。その統一感とこだわりも好き。全ホテルのディレクトリーもこんな風に色分けされています。目次最後のドバイ2020年は、新型コロナの影響もあり、2022年に開業が延期されています。左はドーチェスター・コレクションの栞。

さて、ミラノのホテル・プリンチペ・ディ・サボイア。1927年開業の老舗です。

荘厳とも言えるクラシカルな建物は歴史を感じさせます。エントランスに停まっているメルセデスのストレッチリムジンは、ホテルとシティーセンターを往復しているシャトルサービスです。今までみた中で最も豪華なシャトルでした。

 

クラッシックな造りであることはいうまでもありませんが、ホテルの内部はモダンな照明などのしつらえや、アートが彩りを添えており、客室に完備されたWi-Fi環境、バスルームの水回りなど最新設備が快適さをお約束しています。

女子が気になるバスルームアメニティーはミラノブランドのアクア・ディ・パルマ。ベネチアンガラスで有名なシチスのモザイクが際立つモザイク・ルームは普通の客室でありながら、ちょっと魅せられますよ。

こちらはインペリアルスイート。客室に送られる様々なアワードを多数受賞している、著名な建築家 Celeste Dell’Anna (チェレステ・デッランナ)のデザインによる優雅でスタイリッシュ、そして現代アートもマッチする豪華なスイートです。ここの天蓋付きベッドは、快眠お約束の定評があるとか。モザイクが美しいバスルームの深めのバスタブは、ミラノのベストタブとも言われています。

そして、プリンチペスイート。プリンチペは英語のプリンス。つまり王子のスイートという名の通り王侯貴族気分になれる優雅なインテリアです。重厚なカーテンはモスクワのボリショイシアターなど各国のオペラハウス、劇場で使われているベニスの名門、Rubelli(ルベリ)のもの。当ホテルのカーテンはすべてルベリですが、特別なスイートとリビングエリアのカーテンはその重厚さが地会います。靴のイラストもミラノらしさを感じますね。シャワールームの背景となっているモザイクの豪華さには息を呑みました。

極めつけは、プレジデンシャルスイート。なんと、このホテルの最上階の半分をプレジデンシャルスイートで占めています。このスイート専用エレベーターで12階まであがり、スイートの扉を開くと、天井はフレスコ画、通路に見えるほど長い廊下が目に飛び込む。すでにプレジデンシャルスイートの一部で、リビングエリアへと続きます。当然、セレブリティー御用達のスイートですが、某有名ハリウッドスターがこのスイートの宿泊した時、この廊下をボウリングのレーンに見立て、球状の大理石の飾り(決してボールではありません)でまさにボウリングに興じ、けっこうな損害(弁償)が発生したらしいですよ。ベッドルームもリビングルームもダイニングルームも圧巻ですが、一番感激したのはプレジデンシャルスイート専用のプール!自然光を取り入れる天井にも美しく壮大な絵画が飾られ、プールの底にしつらえたモザイクが神秘的な光の交差を彩ります。このプールを独り占めできるのは、やはりセレブリティーか国家主席クラスですかね・・・

レストランは、オールデイダイニングのIl Salotto とシグニチャーレストランのArcanto Restaurant がありますが、是非ともお勧めしたいのがIl Salotto のロビーラウンジ。このラウンジでは朝食と共にビジネスミーティングが始まり、地元の人がお茶とおしゃべりに興じ、セレブリティー達にも愛されていた憩いの場所です。パバロッティが愛してやまなかったパスタには彼の名前が付いているほど。ミラネーゼ気分でいただくランチタイムを盛り上げてくれたが、モダンアートの作品です。定期的に展示作品を変えていますが、ゲストは気に入った作品を購入することもできます。

 

レストランやロビーラウンジと同じフロアーにあるプリンチペ・バーは食前のアペリティフにも、食後の一杯にも是非とも足を運んでいただきたいスペースです。中央の天井を飾るのは豪華なシャンデリアで、ナント3000ピースの作品。そのシャンデリアを真下から眺めた形状をカクテルにした「プリンチペ・アニバーサリー」は人気のオリジナルメニューです。たびたび地元のサッカーチームの有力者などが打ち合わせやプライベートパーティーに来店するそう。また、フィレンツェ発祥の「ネグローニ」が2019年で100周年を迎え、イタリアではリバイバル流行中。日本ではあまり知られていないネグローニですが、プリンチペ・バーでも、ネグローニのカクテルを何種類かお試しいただけます。

Texts by Yuki Obara / Photos by Hiro Matsui

ドーチェスター・コレクションは、2019年に、ソーシャルメディアとデジタルの世界的な賞「ショーティー・アワード」に輝いた、#DCmoments City Guidesの成功に続き、#DCmoments Food Guidesをスタートしました。ドーチェスター・コレクションのホテルが立地する各都市に於いて、極上の美食スポットを紹介する新しいデジタルコンテンツです。ゲストのために特別に監修された本ガイドは、グルメな目利きによる目的別のお勧めスポットが幅広く収載されており、ドーチェスター・コレクションでの滞在のお供に最適です。

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食に特化したデジタルガイドの開発パートナーは、5年前に開設したインスタグラムのアカウント@food_feelsで有名なジェイムズ・トンプソンです。ロンドンに拠点を置くシドニー出身の写真家であるジェイムズは、食と旅に関するデジタルコンテンツのクリエーターとしても活躍しており、ストリートフードからミシュランスターのレストランまで、世界のフードシーンに幅広く精通しています。ジェイズムは、この度のコラボレーションについて、次のようにコメントしています。「#DCmoments Food Guidesを通じて、飲食に真剣に取り組むドーチェスター・コレクションのチームと協力し、伝説的なホテルを取り巻く周辺地域の素晴らしいフードシーンを宿泊ゲストに案内できることは、大変名誉なことです。」

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ドーチェスター・コレクションのグローバル・コミュニケーションズ・マネージャー、アンナリサ・マエストリは、「食体験の神髄を味わえるガイドを共同開発したジェイムズとのパートナーシップを、大変喜ばしく思います。インスタグラムは、旅先の食文化を体験するための効果的なツールとして広く利用されています。私たちは、高級レストランから地元のカフェまで、ゲストの心に残る忘れられない食体験を創造し、撮影した写真をゲストのソーシャルメディアのアカウントで共有できるようにしたいと考えています。 #DCmoments Food Guidesには、味だけでなく目も楽しませてくれる、インスタグラムに最適なお勧め美食スポットが含まれており、詳しいアクセス方法も記載されています。地元の目利きならではの知識が満載の本ガイドを活用し、宿泊中に素晴らしい美食体験を堪能していただきたいと思います。」

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#DCmoments Food Guidesは、ゲストが現地のフードシーンを探索し、存分に味わうことが出来るよう、正確なロケーションを案内します。ウェブサイトから無料でダウンロードすることができ、すぐに利用を開始できます。ロンドン、パリ、ミラノ、ローマ、ロサンゼルスを対象とする新しい#DCmoments Food Guidesは、これらの美食都市の中でも、特に人気のある美食スポットを紹介します。合計10個のミュシュランスターを獲得しているレストランや、アラン・デュカスやウルフギャング・パックを含む世界的に名高いシェフとのパートナーシップに加え、厳選した極上の美食体験スポットは、ドーチェスター・コレクションに欠かせない要素です。#DCmoments Food Guidesは、ドーチェスター・コレクションの伝説的なホテルに共通する創造的なサービス精神を拡張したものであり、ゲスト体験の向上を目的とする新しい取り組みの一つです。

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#DCmoments Food Guidesのダウンロードは、こちら よりどうぞ。