慢性的な睡眠不足は、体重増加、心臓病、糖尿病、うつ病、免疫システムの低下につながる可能性があります。良質な睡眠のためのヒントを二人のドクターよりご教示。
<アラブ・イスラム伝統医学(TAIM)と睡眠>
BY DR. MUBARIS AHAMED T.(ズラル・ウェルネスリゾートのTAIM専門家)
子供が大人より多くの睡眠が必要なことは誰でも知っていますが、女性が男性より多くの睡眠が必要であることはあまり知られていません。また高齢者の老化に伴う乾燥対策にも、より長い睡眠が有効であることも知っておく方が良いでしょう。
*良質な睡眠のためのヒント*
時間:最も睡眠に適した時間は午後10時から日の出直前まで
姿勢:右側を下に。胃の中の食物が腸に移動しやすくなり、膵臓や肝臓からの分泌も促されます。また、心臓が左寄りにあるため右側を下にすることで心臓への圧力が軽減します。
食べ物:バナナ、グレープフルーツ、レタス、サツマイモ、クルミ、ハーブティー、七面鳥、赤身の肉、全粒穀物を毎日の食事に取り入れると不眠症の改善に効果的です。
食事のタイミング:夕食は最低でも就寝3時間前に終え、消化を促進するため30分後に軽い散歩をお勧めします。
昼寝:昼食後の20〜30分(夏の間は最大60分)の昼寝も有益ですが、必要以上の睡眠は、活動力低下、消化と代謝の乱れ、精神的能力の鈍化につながる場合があります。
眠りにつくのが苦手な方に:カモミールティーや、アシュワガンダ5グラムを温かいミルクと一緒に飲むことをお勧めします。
<睡眠と仕事のパフォーマンス>
BY DR. JASON CULP(チバソム自然療法部門の研究開発ダイレクター)
睡眠が肉体的、精神的、感情的な健康にとって重要であることは周知の事実ですが、労働時間と仕事成果が比例しないという矛盾も実在します。仕事でストレスを感じると睡眠の質が低下し、睡眠不足のために仕事での生産性が低下します。この負のサイクルを断ち切ることが必要です。十分な睡眠は、集中力、創造性、記憶の想起、生産性、問題解決能力を高めます。
*良質な睡眠のためのヒント*
仕事とプライベートを分ける:仕事が終わらず、仕事を家に持ち帰ることがあるかもしれませんが、仕事とプライベートを区別しないこの習慣は、仕事と生活のバランスを崩し、睡眠を混乱させ、悪循環に陥る可能性があります。どうしても仕事を持ち帰る場合は、持ち帰る作業タスクを明確にし、一度携帯電話もオフにしリラックスしてから、改めて仕事に取り掛かりましょう。
ストレス発散法を見つける:仕事のストレスは、過度の飲食などの快楽的な行動を起こしがちです。これは一時的なストレス緩和になるかもしれませんが、結果として睡眠の質を乱し、さらに翌日の作業効率と生産性を低下させる可能性があるため極力避けましょう。ヨガ、瞑想、呼吸、軽い運動など、自分に合ったストレス発散方法を見つけることが重要です。