ロンドン郊外、サマセット州に位置する歴史あるエステート(ホテルと広大なガーデンの敷地)のザ・ニュート、サマセットは社会および環境へのサステナビリティに関する活動報告を発表しました。昨年「World Best 50 Hotelsのカルロ・アルベルト・ベストブティックホテル」にて世界ベストブティックホテルに選出された当ホテルは、2019年の開業以来、社会・環境への貢献に注力しております。

社会への影響と効果

  • 雇用と発展の機会を提供し、地元の人口と経済の維持に貢献します。
  • 従業員を大切にし、栄養、学習の機会、トレーニングなどをサポートし、運動、健康、健康的なライフスタイルを奨励します。
  • ザ・ニュートの地域に移転する人々のために、至近距離にスタッフ用住居を提供します。
  • 学校や大学と協力し、あらゆるバックグラウンドを持つ若者に働く機会を創出。従業員の多様性を奨励します。
  • ガーデニング、エンジニアリング、ホスピタリティの実習の機会を提供します。
  • 地元住民、サプライヤー、企業との強力な関係を構築します。
  • 地元の村の取り組みやイベントに貢献し、地元コミュニティの繁栄を支援します。
  • ザ・ニュートの会員、ホテル宿泊客、学校、業界向けに学習プログラム、イベント、ワークショップを提供します。
  • ホテルを訪れ、ザ・ニュートと触れ合うすべての人に、ウォーキングやサイクリングを通じて自然やサマセットの風景とつながることを奨励するために、歩道やアクセスを整備します。
  • 再利用とリサイクルを奨励します:雨水の採取、レストランでの詰め替え可能なウォーターボトルの使用、オンラインショップの配達用段ボール箱の再利用、リサイクルのための廃棄物の分別、敷地内での再利用するための生ごみの堆肥化、薪の伐採と乾燥、建物用骨材の再利用。

取り組み例:

  • 社員食堂では、全従業員に栄養価の高い温かい食事を提供しています。 ほとんどが、敷地内農園で栽培または飼育された農産物で調理されることで、フードマイレージを最小限に抑え、使い捨てプラスチックを減らし、廃棄物が削減されます。
  • 当社のレストラン、ショップ、社員食堂は、当社の理念を共有する地元企業から食品やその他の製品を調達しています。 地域経済を支援し、商品の移動を最小限に抑え、伝統的な影響が少ない生産方法を維持します。 建材や仕上げにも同様に地元の石材や木材を使用しています。
  • 園芸、伝統工芸、生物多様性、栄養学など、季節ごとに開催されるイベントやワークショップの年間プログラムは、持続可能な方法で栽培し、創造し、食べる方法に焦点を当てています。
  • 毎年開催されるヘッド ガーデナー カンファレンスでは、ガーデニングの専門家、デザイナー、(社会的)運動家、科学者を招聘し、業界の注目のテーマについて議論し、特にガーデニングが環境と健康と幸福にどのようなプラスの効果をもたらすことができるかについて考察します。

環境への影響と効果

  • 土壌の健全性と生物多様性を改善する再生農業を実施します。
  • 卓越した動物福祉を備えた専門家による飼育管理。 再生計画に従って家畜を管理し、生態系に積極的に貢献します。
  • 家畜を尊重し、動物の死骸をすべて利用し、廃棄物を最小限に抑えます。
  • 土壌の健康を維持し促進するために、生産性の高いガーデニングに不耕起栽培と有機の原則を適用します。
  • 大規模な植樹、森林、生垣の管理。 多様な固有の生息地の保護と促進。 伐採した木材を暖房に利用しています。
  • 野生動物の監視と管理。希少種や絶滅危惧種の繁栄を可能にする。
  • 敷地と敷地周囲の土地に動物の回廊を作成します。原生林を備えた敷地内の鹿公園も含まれます。
  • 生ごみを堆肥化します。
  • 野生のミツバチの群れを誘引し維持するために、花粉が豊富な植栽と並行してミツバチの巣箱を開設し、維持します。
  • 希少種または絶滅危惧種を再導入します。
  • リサイクル可能またはリユース可能な消耗品を計画的に調達し、 使い捨てプラスチックの使用を最小限に抑えます。
  • 種の多様性を維持・改善する取り組みのため、敷地全体の生物多様性監査を監督する昆虫学者を雇用します。

取り組み例:

  • ガーデンや森林の廃棄物を使用し、年間約 250㎥の堆肥を作ります。
  • 作物の栽培に人工肥料や化学薬品を一切使用しません。
  • ディーゼルの使用を削減し、土壌の健康を促進するために、耕作可能な作物の 3 分の 1 を直播きします。
  • 最小限の投入物、被覆作物、中断作物、農場の肥料を通じて、土壌の有機物と生物多様性を増加させます。
  • 敷地内で栽培された牧草、干し草、大麦、豆を牛に与えます。 使用される唯一の外部飼料は、糖蜜やミネラルなどのサプリメントです。
  • ミツバチや他の昆虫に花粉を供給し、土壌に窒素を固定するために、敷地全体にクローバーの牧草地が広がります。
  • 敷地全体に昆虫や鳥の生物多様性を促進するため、耕作地周囲に6mの草地と野鳥の種子混合物を植えます。
  • アカリスとオオノガンの紹介。
  • ホテルとスパの両方で、バスアメニティを使い捨てから再利用可能なものへ移行しました。
  • スパで堆肥化可能なスリッパを使用。

さらに、太陽電池の設置、敷地内、及びオンラインショップの商品配送に電気自動車を採用、再生可能エネルギー源の導入など、先進的で効率的なテクノロジーも数多く取り入れています。

長年に渡り人も羨むラグジュアリーなホテルやリゾートとつきあってきたので、ちょっとやそっとでは驚かない、言い換えると滅多に感動できないと思っていた。が、このエステート(敷地全体をエステートと呼ぶ)は違った。40室オンリーのスモールラグジュアリーホテルと素晴らしいガーデン、と思って行ってみたら、その規模は1000エーカーという想像を超えたものだった。ちなみに、USJは96.4エーカー。1000エーカーとは東京ドーム87個分に相当するが、USJ10個いれてもまだ余るというほうがリアリティーありか?(いや、無いだろう)2泊3日という限られた時間だったが、ニュートが持つ特異性、何度来ても足りないと思うかもしれない際限なき可能性、そしてエステートの魅力をお伝えしたい。ただ、あまりにも語りたいことが多すぎて、普通にトラベルブログとして書くのが難しく、ザ・ニュートにいくべき11の理由にまとめてみた。

 

  1. サマセット自体が人気のエリア。ロンドン人が移住したい地域のトップ。実際に近年ロンドンより移住をしてきている人が多い。車で僅か2時間程度の距離だが、ロンドンの喧噪からは考えられない田園風景。さらに英国ならではのカントリーロードと景観も気軽に楽しめる。〜 プラチナジュビリーの祝賀イベントで、エリザベス女王と登場してその存在が再び有名になったパディントンベアがいるパディントン駅から列車旅でニュートに行く予定だったが、あいにくのストライキで車での移動となった。まさに英国らしい田園風景の中を車で移動するのも悪くなかった。しかも途中、ストンヘッジを通るため、要望遠レンズではあったが、世界遺産を見ながらの道中となった。複数の動物と共に自然に囲まれた一軒家に住むことができるエリアはいくらでもあるが、サマセットはその中で、ダントツに人気を博している。

  1. 敷地内の至る所にいるリス、ウサギ、羊、山羊、鹿など出会う。そして、癒される。 なにしろ巨大な敷地だ。森も林もある。羊と山羊はある程度囲いのある野原に飼われているが、リスやウサギはエステートの住人だ。鹿公園と称する広大なエリアには71頭のアカシカ、50頭のダマジカが群れを成して生活している。公園のスタート時はつがいの鹿を購入したそうだ。ペット以外の動物にそこらじゅうで会うことが癒される気分になることを知った。

 

  1. 17世紀末に建設された歴史ある建造物。1785年にジョージアン様式の美しい外観となった本館が魅力あふれる〜 1785年から2013年まで当エステートを所有していたホブハウス家の功績は大きい。庭園も本格的に管理され、一般公開に至った.本館内のレストラン、ボタニカル・ルームはカントリーハウスのキッチン風。クロケットフィールドを望むハドスペン・バーでは、夜はジャズの演奏も楽しめる。

  1. 1000エーカー(東京ドーム87個分)もの広大な敷地は、庭園やホテルのレベルを越えて一大エンターテイメント・テーマパークのよう〜 エンターテイメントに関してはこれから触れていきます。

  1. 本館にも別館にも温水プール、ジャクージ、サウナを完備。季節を問わず心身共にリラックスできる。 厳密には本館となりの元牛舎だった建物がリノベーションによりスパに生まれ変わっている。大型温水プールに加え、屋内外にハイドロプールも備える。別館、ファームヤードには、かつての納屋がハイドロセラピープール付きの屋内プールに変身している。水着は忘れずに持参すべし。

 

  1. 英国のグレードII指定建造物として保存されつつ、リノベーションでモダンな設備を完備するジョージアン様式の客室(本館・ハドスペン・ハウス)。一方、18世紀に建設された酪農場を改装した建造物群の別館・ファームヤードは、カジュアルでのんびりした雰囲気が居心地良い。〜 2022年にオープンしたファームヤードは建築家のリチャード・バーと、ザ・ニュートの現オーナー、カレン・ルースがデザインを手掛けた。オリジナルの酪農場が建設された当時の様子と歴史を模写した文学作品から多くのインスピレーションを得たという。Garden-to-kitchenのファームヤード・キッチンや、すべての飲み物が無料で提供されるガーナー・バーは、シンプル、コンテンポラリーでスタイリッシュなデザインだが、居心地の良さが突出している。

 

  1. 庭園中央部のウォールガーデン「パラボラ」はバロック式迷路で、300品種以上、460本のリンゴの木が圧巻。キッチンガーデンの新鮮な野菜やハーブはGarden-to-tableスタイルの食体験を提供してくれる。〜 7メートルの塀に囲まれた迷路のようなパラボラを起点として、様々なガーデンや温室を散策するのはガーデンファンならずとも楽しいにちがいない。散策中に出会う遊び心のあるちょっとしたオブジェも思わず微笑んでしまう。

 

  1. ホームメイドのチーズ、ミルク、蜂蜜、パン、サイダー(リンゴ酒)が常に新鮮で美味しい。〜 元々サマセットはリンゴ酒の産地だったそう。農夫達が大きなグラスで飲む、お世辞にも優雅は無いお酒だったようです。ザ・ニュートの特徴の一つはサイダー造り。ここでは砂糖、水をくわえない低温発酵法で丁寧にサイダーを造り、ワイングラスで優雅に飲むスタイルを提唱しています。サイダーツアーでは試飲も楽しめますし、各客室のミニバー、レストラン、バーにはもちろん完備され、ショップでの購入も可能だ。ニュートの果樹に欠かせないのが蜜蜂。養蜂を行うと同時に、体験型の蜜蜂専門エキシビション(ここもミュージアムレベル)「ビーザンチウム」で、蜜蜂の生態や養蜂の歴史などすべてを教えてくれる。音声ガイド(日本語)のおかげでちょっとした蜜蜂博士になれる施設だ。植物ごとに異なる味をもつ蜂蜜のテイスティング体験も面白かった。

  1. 日本人庭師、石田麻衣子さんによるガーデンツアーが嬉しい。専門用語も詳細も完璧に理解できる。〜 彼女はガーデニングのプロだ。日本式ガーデンの造成中だが、ガーデンに関するすべての知識がすばらしく、一緒に話していて楽しい人柄。なんでも聞きたくなる。彼女との出会いにも感謝。

  

  1. 本物のミュージアム! ローマ時代の英国、世界のガーデンも見られるガーデニングのすべてを正真正銘のミュージアムで体験型展示を楽しめる。(日本語の音声ガイド有り)〜 本格的なミュージアムが2つもあった。エステート内で発掘されたローマ時代の遺物や遺構が最新技術を交えて保存・展示されているミュージムだけでもすごい事なのに、なんと、ローマ時代の邸宅を残存する断片のみで再現してしまった!ローマンヴィラ・エクスペリエンスである。しかもヴィラ内には当時のシステムによる微温浴室と高温浴室まである。浴室のフレスコ画はイタリアから招いた専門家が制作したそうだ。当時の衣装を着たスタッフの登場には、思わず「どんだけ〜!」と叫びそうに。もう一つのミュージアムは「ストーリー・オブ・ガーデニング」VRを活用し、庭園や園芸の全てを学べる。いや、遊びながらいつの間にか学べる場所だった。

 

 

  1. 英国の紳士淑女が集まるカントリーライフを垣間見て体験できる。紳士淑女を迎えるザ・ニュートのスタッフはみな暖かくユーモアにあふれる。さらにスペシャリストが揃っており、いろいろ学べる。〜 ニュートの庭園やミュージアムに何度でも訪れることができる1年間有効のメンバーシップがあり、多くの英国人が入会して定期的に訪れている。カントリーライフの楽しみ方を心得ている優雅な人々を大勢みた。スタッフもゲストに劣らず紳士淑女揃いだった。ちょっとしたおしゃべりを楽しくしてくれる人達。サイダー造りを極めているスペシャリスト、蜜蜂を知り尽くしたスペシャリスト、園芸や鹿のスペシャリスト、考古学者・・・・一大エンターテイメントのテーマパークと呼びたくなることをわかっていただけたのでは?

Texts: Yuki Obara / Photos: Hiro Matsui (一部除く)

ザ・ニュート、サマセットは、ローマン・ブリテン時代の邸宅「Villa Ventorum(ヴィラ・ヴェントラム)」の再建を完了し、先駆的な考古学体験「Roman Villa Experience(ローマン・ヴィラ・エクスペリエンス)」を公開しました。ザ・ニュートの敷地内で発見された西暦351年築の当邸宅は、建物の基礎と残存する部分を大切に保存しながら改修が施され、新感覚のビジターセンターとインタラクティブなミュージムと同時に今夏オープンしました。

“風の家”を意味するヴィラ・ヴェントラムの復元は、考古学者、建築家、技術者、熟練の職人を含む専門チームが、7年以上の歳月をかけて実現させました。ローマン・ブリテン時代の生活様式を学べる教育的施設としてミュージアムと共にオープンする当ヴィラは、これまで英国内で実施された同類のプロジェクトにおいて、最も野心的なものと言えるでしょう。幅56m、長さ22mのT字型の平面に、部屋、キッチン、古代ローマ式入浴施設が配置され、ブドウ園と池、そして約10.5エーカーの草原がヴィラの周りを囲んでいます。

考古学的エビデンスに基づき、日常生活において発生する音、匂い、光景などを忠実に再現したことにより、ゲストは、まるで時代をさかのぼり、ローマン・ブリテン時代にいるような感覚で、当時の日常を垣間見ることができます。ゲスト体験は、新設のイノベーティブなミュージアムから始まります。貴重な考古学的発見が、最新技術とインタラクティブな仕掛けを通じて大切に保存・展示されています。

古代ローマまでさかのぼるエステートの歴史

ローマン・ブリテン時代のヴィラの再建は、今後何世代にもわたり、1,000エーカーにも及ぶ広大なエステートの歴史を称え、豊かな恵みに感謝し、発展させていくという、ザ・ニュートの理念が反映されています。ヴィラ・ヴェントラムは、約1,600年前の当時を再現するため、建物はもちろん、周辺の景観にも配慮されています。再建プロジェクトが進行する中で、ローマ時代の英国に関して未だ多くのことが解明されていないことが明らかとなり、当プロジェクト自体が、同時代に関する調査・研究を深めるユニークな機会となりました。

ヴィラ・ヴェントラムの存在が最初に確認されたのは、1843年でした。ザ・ニュート(当時:ハドスペン)の南西側にあるカトル・ヒルで働いていた労働者たちが、コンスタンティウス2世在位中(337年―361年)の硬貨などの遺物を含む古代ローマの遺跡を発見しました。発見現場は、何世紀にもわたり人々が暮らし、有機物の蓄積により黒くなった土壌に因んで“ブラックランド”と呼ばれている農地でした。

鉄器時代からローマ時代初期にかけて人々が集団で生活を営んでいた同地は、3 世紀半ばまでに地主貴族層のジェントリが住むローマ建築の壮大なヴィラに発展しました。石弓の形を模した珍しいブローチが出土したことは、法官などローマ帝国高官との関係を示唆しています。また、当時制作されたモザイク画の大部分も発見されています。メインの応接室 (タブリナム)には、ローマ神話に登場する動物と狩猟の女神ダイアナが、ダイニングルーム(トリクリニウム)には、ワインの神であるバッカスが、それぞれ描かれており、当時の家主が築いた富を象徴しています。

ローマ時代の英国の暮らしを再解釈

当再建プロジェクトの目的は、これまでと異なる視点からローマ時代の英国の暮らしを解き明かすことでした。家長から最下位の奴隷に至るまで、かつてヴィラに住んでいた人々の生活に対する他に類を見ない貴重な洞察を提供します。

再建計画の策定にあたり、オックスフォード・アーキオロジーとウェセックス・アーキオロジーの2社が、大規模な発掘調査を実施しました。そして、考古学的知見と正確な復元に関する不動産アドバイザーとしてサウスウエスト・ヘリテージ・トラストがプロジェクトに参画し、ストーンウッド・デザインとザ・ニュート専属の建築家であるケイティ・ルーイスと密接に協力しながら、考古学的解釈をデザインの各要素に当てはめていきました。内装、建具、調度品の制作を含め、伝統的な建築材と技術が随所に使用されています。

残存する断片のみを使用してヴィラを完全に再現できたことは、大きな偉業です。ローマン・ブリテン時代のヴィラが復元された例は非常にまれであり、適切なスキルを持つ職人を見つけることは、歴史的な正確さを担保するための大きな課題でした。設計を担当したストーンウッド・デザインと、工事を担当したストーンウッド・ビルダーズは、歴史家と考古学者、そして最終的には一般の人々の期待に応えるデザインが求められた非常にユニークなプロジェクトだったと説明しています。

ワトル・アンド・ダブ技法を用いた土壁、練り土を打ち固めた床、壁面のフレスコ画など、ローマ時代の建築を当時の技術を用いて再現するために、実験的な取り組みが絶え間なく行われました。壁と床全体を飾る複雑なモザイクとフレスコ画は重要なデザイン要素ですが、現代において、ブオン・フレスコとして知られる伝統的な技法を使用し、湿った石膏に直接絵を描くことができる職人は、ほんの一握りです。ザ・ニュートは、ダニエラ・マーフィー・コレラとアルベルト・フェリチが率いる修復専門チームをイタリアから招聘し、プライベート浴場内のテピダリウム(微温浴室)とカルダリウム(高温浴室)に、2点のフレスコ画を制作しました。浴場内にハイポコーストと呼ばれる古代ローマの暖房システムを再実装させることも、多くの困難を伴う作業でした。

ヴィラ・ヴェントラムの庭園は、サマセットを拠点とする景観設計事務所のアーカート&ハントが手がけました。当事務所は、近年、王立園芸協会主催のチェルシー・フラワーショーにて最優秀賞に選出されるなど、高い評価を受けています。彼らは、入念な事前調査を実施し、植物学者のマギー・キャンベル・カルバーと考古学専門のサウスウェスト・ヘリテージ・トラストと協力しながら、350年頃のローマン・ブリテン時代の遺跡で発見された植物のみを用いた庭園デザインを考案しました。庭園は、ローマ神話の月の女神ルナに捧げるパーゴラ・ガーデン、池、古代ローマスタイルのメドウ・ガーデン、ぶどう畑、チェリー果樹園、薬用植物を植栽したメディシナル・ガーデン、菜園、ラベンダーとギンバイカのトピアリー・ガーデンから構成されています。ヴィラの周りには、栗とサンザシの木が自然のままに植えられ、太陽光が降り注ぐ壁に沿ってイチジクの葉が豊かに生い茂っています。

先駆的な考古学体験

ヴィラ・ヴェントラムとミュージアムでの体験は、年齢はもちろん、歴史への関心の有無を問わず、誰もが楽しめる内容です。展示は、ストーリーを伝えるナラティブな空間設計を得意とするKossmanndejong(コスマンデヨング)が担当しています。ザ・ニュートのアクティビティー施設「ストーリー・オブ・ガーデニング」と「ビーザンチウム」のクリエイティビティに富んだインタラクティブな展示も、彼らのデザインです。

ゲストは、歴史的な発見や背景を説明する音声ガイドを聞きながら各スペースを見学することが出来ます。子供向けツアーでのインタラクティブな宝探しや、情報をより深く掘り下げることができるスマートスクリーンなど、実際に体や手を動かしながら学べる多彩なゲームをお楽しみいただけるほか、バーチャルリアリティを活用してローマ時代のヴィラでの生活を体験していただけます。当時の衣装を着たスタッフが登場することにより、さらに雰囲気を盛り上げます。そして体験ツアーの終わりには、ローマ時代のストリートフードを実際にお召し上がりいただけます。ワインで煮込み、蜂蜜で甘みを加えた地産のラム肉をトッピングしたメンサスタイルのフラットブレッドなど、サマセットの地域で一般的に使用されていた食材を使用し、当時の味付けを再現しています。

参加方法

ローマン・ヴィラ・エクスペリエンスは、ザ・ニュートのメンバーシップに含まれています。会員費は、大人1名様につき£68で、16歳以下の同伴者は無料です。17歳以上の同伴者は、会員1名様につき1日6名様まで「メンバーズ・ゲスト・パス」をご利用いただけます。メンバーズ・ゲスト・パスは、1枚£18です。

12ヶ月間有効のメンバーシップに入会されると、ザ・ニュートの庭園、森林、シカ園に無料で何度でも入園いただけるほか、アクティビティー施設の「ザ・ストーリー・オブ・ガーデニング」や「ビーザンチウム」、庭園内のカフェ&レストラン、ファーム・ショップ、ハウス&ガーデン・ショップも併せてご利用いただけます。アクティビティーも豊富にご用意しており、1日2回開催されるデイリー・ガーデン・ツアー、週2回開催される森林ツアー、さらに、1年を通じたワークショップ&イベントプログラムにご参加いただけます。このほか、パートナー・ガーデンへの入園、デジタル・ニュースレター、オンラインショップでの英国内無料配達サービスなどもご利用いただけます。ホテルに宿泊されるゲストは、メンバーシップに無料でご入会いただけます。

ローマン・ヴィラ・エクスペリエンスの所要時間:2.5時間以上

夏季の営業時間:10:00~17:00(最終入館時間:15:20)

冬季の営業時間:10:20~15:30(最終入館時間:13:40)

ザ・ニュート、サマセットは、61日にオープンした別館「ファームヤード」を公開しました。800エーカーの広さを誇るエステート内の旧酪農場を改装した当別館は、本館からリンゴ園を越えて直ぐの谷にひっそりと佇み、旧母屋と旧牛小屋に17室の客室を備えています。敷地内の各エリア・施設へのアクセスが良いロケーションに位置しながら、静かで落ち着いた環境が整い、オークの木々と家畜がのんびりと過ごす風景が、心身をリフレッシュさせます。

 

ファームヤードは、23室の客室を擁するジョージアン様式の本館「ハドスペン・ハウス」と比べ、よりリラックスした雰囲気が特徴です。カジュアルスタイルのバーや、薪オーブンで焼き上げた大皿料理を取り分けて提供するオールデイダイニングを完備し、自然との触れ合いを大切にした農場エリアらしい滞在をお楽しみいただけます。本館との行き来には、自転車や電動バギーをご利用いただけます。

18 世紀に建設された農場内の歴史的建造物群の改装は、建築家のリチャード・パーが、ザ・ニュートのオーナー兼デザイナーのカレン・ルースと協力しながら手がけました。脱穀場、チーズ貯蔵室、サイダー(シードル)醸造所、厩舎は、原形のバランスを保ちつつ、建物の歴史を称えるスタイリッシュな空間に生まれ変わりました。近くの採石場で採れた蜂蜜色のハドスペン石、ブルー・ライアス、コーニッシュ・スレート、森林大理石、オーク材、ガラスなど、広域のエステート内から調達した建築材を活用し、ナチュラルな色調でシンプルにまとめられています。また、きれいに澄んだ冷水が湧き出る水源が多く存在する谷は、チーズとクリームの生産地として理想的な場所でした。改装後の池と小川を取り入れたデザインは、豊かな水の恵みを表現しています。

農場施設としての歴史を持つユニークな建造物群は、既存のホテルデザインとは一線を画す新しいスタイルを作り出すことを可能にしました。カレン・ルースは、トーマス・ハーディ著の『遥か群衆を離れて(原題:Far From the Madding Crowd)』など、農場が建設された当時の様子と歴史を描写した文学作品からデザインのインスピレーションを受けました。建物の控えめな雰囲気に合わせたエレガントなコンテンポラリースタイルの内装は、新旧の絶妙なバランスを実現しています。石畳の床とオリジナルの暖炉が、黒青銅のバスルーム備品とさわやかな羽目板と見事に調和しています。ハドスペン・ハウスと同様に、客室はそれぞれ異なる内装が施され、

可能な限り英国の工芸品や素材が使用されています。かつて納屋として使用されていた建物は、ハイドロセラピープールが付いた屋内プールにリノベーションされました。地元の職人が手がけた木組みの天井が特徴的な広々とした空間です。

 

オールデイダイニング「ファームヤード・キッチン」は、ザ・ニュート全体の食のアプローチである“garden-to-table”(菜園から食卓へ)スタイルのシンプルなメニューを提供します。敷地内の菜園から届く新鮮な食材を使用した季節限定メニューをお召し上がりいただけます。「ガーナ―・バー」は、談笑しながら各種ドリンクを楽しめる居心地の良い空間です。そして、屋外炉を備えたゲームルームと屋内プールでは、牧歌的な雰囲気の中でリラックスした時間をお過ごしいただけます。

ファームヤードに宿泊されるゲストは、ザ・ニュート自慢の数エーカーにわたる美しい庭園から、2軒のレストラン、ハーブ園を併設した最新のスパまで、敷地内の全てのエリアをご利用いただけます。ご滞在中、リンゴ園の散策、サイダー醸造所の見学、専門家による解説付きツアー、体験型ミュージアム「ストーリー・オブ・ガーデニング」訪問など、充実したアクティビティを通じて、ザ・ニュートの魅力を満喫していただけます。さらに、森でのサイクリング、モーニング・ヨガ、芝生の上でのクリケットやバトミントンなど、スポーツもお楽しみいただけます。また、ファームヤードは、最大34名様で貸切り利用も可能です。ご要望に合わせてカスタマイズした多彩な体験をご用意し、特別なステイをお届けします。

ファームヤードの宿泊料金は、1部屋2名様ご利用で2* £950~です。宿泊料金には、朝食のほか、庭園を含む敷地内の各エリアへのアクセスと、12ヶ月有効のメンバーシップ(有効期間中何度でも無料でエステートへの入園が可能)が付いています。

*ファームヤードの最低宿泊日数は2泊です。

ケントス・ネットワークは、イギリス南西部サマセット州のブルートンとキャッスル・ケアリーの間に位置する歴史あるエステート(ホテルと広大なガーデン)「ザ・ニュート、サマセット」の日本総代理を開始しました。

 

ロンドンから日帰りでもビジットできるサマセットですが、新デスティネーションとしてもご紹介したい、魅力あふれるザ・ニュート、サマセットです。広大な美しい庭園やラグジュアリーなホテルを備えたザ・ニュート、サマセットは、グレートウェスタン鉄道との特別なパートナーシップにより、今年もロンドンからの日帰りツアー「グレート・ガーデン・エスケープ」を催行しています。

<グレート・ガーデン・エスケープ>

英国南西部の美しいガーデンへファーストクラス(鉄道)で行くツアー

広大な美しい庭園やラグジュアリーなホテルを備えたザ・ニュート、サマセットは、グレートウェスタン鉄道との特別なパートナーシップにより、今年もロンドンからの日帰りツアー「グレート・ガーデン・エスケープ」を催行しています。2022年5月6日~9月24日の毎週金・土曜日の朝に、ロンドンのパディントン駅から英国南西部へ出発する鉄道での旅は、ファーストクラスでの優雅な時間と、大幅に拡充されたザ・ニュートでのとっておきの体験がゲストを待っています。

  • ザ・ニュートのホストと専門家が日帰りツアーのガイドを務めます
  • 絵に描いたように美しい庭園を鑑賞する特別な散策ツアーのほか、体験型ミュージアム「ストーリー・オブ・ガーデニング」で庭園の歴史を学び、「ビーザンチウム」で、花粉交配に欠かせないハチの生態について理解を深めることができます
  • グレートウェスタン鉄道のファーストクラスで、行きは朝食、帰りはアフタヌーンティーを、ザ・ニュート内の「ガーデン・カフェ」で、季節限定ランチをお召し上がりいただけます。いずれも、ザ・ニュートの料理長アラン・スチュワートがご用意します。「サイダー・セラー」の見学には、アップルサイダー(シードル、リンゴを原料とした酒)のテイスティング体験も含まれています

2022年版日帰りツアーの新しい魅力

  • 金曜日の催行をスタート
  • 「シーゾナル・スペシャル」を提供:「ビー&ハニー」「ヒストリー&ヘリテージ」「ハーベスト」といったテーマを季節毎に設定し、季節限定の食事メニューなど、テーマに沿ったツアー内容を提供します

優雅なファーストクラスの旅

2022年5月6日~9月24日の毎週金・土曜日に運行される優雅な鉄道の旅は、ロンドンのパディントン駅から出発し、英国南西部の美しい風景を通り抜け、ケアリー城駅に到着します。早朝パディントン駅に集合したゲストは、ファーストクラスに案内され、ゆったりとした空間の中で、ザ・ニュートの料理長アラン・スチュワートが用意した朝食用ピクニックセットをご堪能いただけます。特製のバタークロワッサンから、季節のジャム、リンゴとクルミのグラノーラとベリーコンポートを添えた水牛ヨーグルト、絞りたてのオレンジジュースに至るまで、サマセットの最高の食材を使用した至福の朝食セットです。一等車で贅沢な鉄道の旅を楽しんだ後は、イギリスらしい牧歌的なザ・ニュートの地所へと向かいます。

ザ・ニュートでのとっておきの体験

ザ・ニュートの専門家チームが、エステート(所有地)に到着されるゲストをお出迎えします。ゲストは、庭師、養蜂家、シェフ、アップルサイダーを造る職人など、様々なエキスパートから直接話を聞くことが出来ます。今年のガーデン見学ツアーは、これまで以上に丁寧な解説が付いており、実際に農産物を手に取ったり、収穫したり、香りや味を楽しむ時間も含まれています。自由時間には、「ハウス&ガーデン・ショップ」、「ファーム・ショップ」、「ジェラテリア」に立ち寄ったり、美しい景観を眺めながらくつろいだりしていただけます。最先端技術を導入した体験型ミュージアム「ストーリー・オブ・ガーデニング」などのアトラクション施設も見逃せません。そして、当ツアーには、エステートに無料で再訪できる1年間有効のメンバーシップも含まれています。

ザ・ニュート自慢のご馳走

ゲストは、朝食の焼き立てクロワッサンから、敷地内で収穫されたばかりの野菜をふんだんに使用したランチまで、1日を通してザ・ニュートの恵みをお楽しみいただけます。ガラス張りのガーデン・カフェで提供されるランチは、バビロンストレン産のワインとのペアリングがお勧めです。また、リンゴの栽培が盛んなサマセットでは、何世紀にも渡りアップルサイダーが醸造されてきました。この伝統を受け継ぐ「サイダー・プレス&セラー」がエステート内にあり、サイダーのテイスティングをご体験いただけます。帰りのファーストクラスでお召し上がりいただくザ・ニュート特製のアフタヌーンティーには、季節のジャムと英国南西部名物のクロテッドクリームが添えられたスコーンに加え、ニュートの敷地内で育ったエディブルフラワーで飾られたヘリテージ・ローフ・サンドイッチと季節のケーキが含まれています。

季節毎のユニークなテーマ

今年からスタートする新しい取り組みとして、季節毎にテーマを設定し、各テーマに沿ったツアー内容をお届けします。「ビー&ハニー」をテーマとする7月は、新設の体験型エキシビション「ビーザンチウム」にて、魅力的なハチの世界へとゲストを招待します。そして、「ヒストリー&ヘリテージ」がテーマの8月は、エステートの豊かな歴史を深く掘り下げます。最終催行月となる9月のテーマは、「ハーベスト」です。リンゴが実る果樹園を訪問し、夏の終わりをお祝いします。

グレート・ガーデン・エスケープに含まれるもの

  • 往路のファーストクラスで提供されるザ・ニュート特製朝食セット
  • 経験豊富な庭師がガイドを務める美しい庭園と原生の森を楽しむ散策ツアー
  • 敷地内で栽培された採れたての食材を使用した「ガーデン・カフェ」での季節限定ランチ
  • 充実した自由時間:美しい敷地内の散策、アトラクション施設、地元スイーツを楽しめる2軒のショップ
  • アップルサイダーのエキスパートが解説する見学ツアー&テイスティング
  • 復路のファーストクラスで提供されるザ・ニュートのパン工房「ベーカリー」特製アフタヌーンティーセット
  • 12ヶ月間有効のメンバーシップ(エステートへの再訪券(鉄道乗車券なし)) 

料金:

ザ・ニュート、サマセットへの日帰りツアー「グレート・ガーデン・エスケープ」の料金は、大人335ポンド/人、子ども260ポンド/人です。2022年5月~9月の毎週金曜・土曜日に催行され、ロンドンのパディントン駅~ザ・ニュート・イン・サマセット間のファーストクラスでの往復、ガイドツアー、エキスパートによる解説、テイスティング、朝食・昼食・アフタヌーンティーがツアー料金に含まれています。さらに、12ヶ月間有効のメンバーシップの特典が付いてきます。