世界最高のホテルの一つとして認知されているラ・マムーニアはかつてないほどの魅力をたたえ、皆さまのお越しをお待ちしています。総支配人、ピエール・ジョエムの指揮と情熱のもとで、著名な建築デザインのデュオ、パトリック・ジュアンとサンジット・マンクは、ホテル内に新しく誕生した魅力的な場所をダイナミックなエネルギーを感じるスペースとして見事に造り上げました。

 

レストラン

L’Asiatique par Jean-Georges(アジアティーク by ジャン-ジョルジュ)

官能的とも言えるこぢんまりとした空間。伝統あるモロッコスタイルの装飾と、ジャン-ジョルジュの料理が完璧に調和し、家具は装飾と料理の2つの世界観を効果的につなげています。中華、和食、タイ料理のエッセンスを加えたシェフの料理のように、両者の要素が精巧に融合されています。東南アジアから日本まで続く美食の旅を楽しめる当レストランには、シェフのジャン-ジョルジュが生み出したオリジナルの世界が広がっています。アジアの旅へと誘う演出に加え、綿密に配置された照明がもたらす甘い魔法により、あなたのお気に入りの場所となるでしょう。

メニューは、素晴らしい東洋の味を発見するための魅惑の旅として構成されており、細かく刻まれたシャキシャキ野菜と洗練された創作寿司など、シェフは、アジアの味を巧みに再解釈し、美しい一皿に表現します。シェフのクリエイティビティと高い技術によるひねりの効いたアジア料理をぜひご堪能ください。

L’Italien par Jean-Georges(イタリアン by ジャン-ジョルジュ)

かつてのフレンチレストラン「ル・フランセ」は、シックでリラックスしたラグジュアリー・トラットリア「イタリアンbyジャン-ジョルジュ」に生まれ変わりました。巨大な温室を彷彿とさせるデザインで、レストランと庭が完全に融合しています。床から天井までの大型の窓は、庭の植物に向かって大きく開き、光と新鮮な空気を取り入れます。料理が目の前で行われる、ショーキッチンもお楽しみいただけます。

20メートル以上のフレスコ画が庭を反映します。上質で繊細なグルメ料理の数々を提供します。フレンドリーで洗練された精神をもつシェフのジャン-ジョルジュ・ヴォンゲリスティンは、見事にこの豪華なトラットリアに変身させました。

Le Marocain(ル・マロカン)

マラケシュの典型的なモロッコ料理レストランでの食事は、ラ・マムーニアで欠かせない体験です。このレストラン「ル・マロカン」は、魅力あふれる温かい雰囲気の中で、ゲストを友人として迎えてもてなす、モロッコの風習を称え、踏襲しています。

マラケシュのモロッコ家族料理は、モロッコのすべての繊細さと色を見事にとらえているシェフ、ラシッド・アゴライにより、典型的でありながら洗練された料理となってゲストを魅了します。

Le Pavillon de la Piscine (ル・パビリオン・ドゥ・ラ・ピシン)

既存の建物をアップグレードし、ビュッフェスタンドを飾る新しい記念碑のようなシャンデリアが特徴的なスペースとなりました。

中央にマジョレル公園の青い噴水を彷彿とさせる円形のレイアウト。ラ・マムーニア特有の装飾が季節の変化に応じて展示されます。空間はモノクロで明るく、ゲストに提供する新鮮で多様性に富む食事を際立たせています。

バーとティーサロン

Le Bar Majorelle(バー・マジョレル)

バー・マジョレルは、フランスの画家であり東洋学者、マラケシュを愛する著名人、ジャック・マジョレルにちなんで名付けられた華やかな場所です。

ピエール・エルメはスイーツのみならず、洗練されたビストロメニューも監修しています。昔ながらの仔牛のブランケット、カニのサラダ、バーガーなど、パリジャンスタイルのコーヒーとマッチする、創意工夫をこめたメニューをお楽しみいただけます。もちろん、シグニチャーデザートもお忘れなく。その特別なデザートでこのきらめくメニューが完成するでしょう。

Le Salon de Thé par Pierre Hermé(サロン・ド・テbyピエール・エルメ)

サロン・ド・テbyピエール・エルメは、壁に沿って向かい合う長いすを備えたモロッコのサロンのスタイルを取り入れています。

サロン中央部には大理石の噴水が地面から出てきているように見える空間があり、その水は巨大なガラスのシャンデリアが映し出しています。その美しいシャンデリアはロビー中央からも目に飛び込んできます。

パティスリー界のピカソと称されるピエール・エルメの創作を味わいたいという願望は自然に生まれてくるでしょう。このティーサロンでは、ピエール・エルメのアフタヌーンテイーに加え、朝食や軽食もお楽しみいただけます。

Le Bar de la Piscine(バー・ドゥ・ラ・ピシン)

この新しい円形のバーは、より陽気で楽しくなるよう設計されています。

ラ・マムーニアの庭園の中心部にあるバー・ドゥ・ラ・ピシンは、植物と花の装飾で、緑あふれる庭園に完全に溶け込んでいます。一日中いつでも、この楽しい緑のオアシスは、敷地内菜園から採れ立ての果物や野菜を使うさわやかなジュースのセレクションを提供します。また、スペシャル・カクテルもぜひお試しください。

Le Churchill(チャーチル・バー)

ラ・マムーニアのランドマーク的な存在して常連客に親しまれてきた「チャーチル・バー」は、ホテルの歴史と、ホテルがもてなしてきた著名人たちにまつわるストーリーに溢れています。 バックライト付きの布張り壁、全体を包み込むような温もりのある木目天井、そして、スモークオークの床から浮かぶように輝く馬蹄形の黒大理石のテーブルが醸し出す温かな雰囲気は、古き良き時代の英国の鉄道車両を彷彿とさせます。

パリで最古のキャビアメーカー「キャビアリ」の自家製キャビアと、卓越したスモークサーモンは美食家をもうならせる超シックな体験を提供します。カクテル愛好家のために、チャーチル・バーのバーテンダーは特別なスピリッツを用いて、季節ごとに大胆なカクテルをデザインします。

Le Menzeh par Pierre Hermé(メンゼbyピエール・エルメ)

ラ・マムーニアの最初の歴史的建造物であるメンゼは、伝説によれば長い間「マーラバウト」と呼ばれていました。バラと樹齢100年のオリーブの木が並ぶ小道をしばし歩くとたどりつく位置にあります。ピエール・エルメのリーダーシップの下、この魅力的な絵のように美しいパビリオンでは、アイスクリーム、ペストリー、その他のチョコレートのデザートを提供しています。モロッコの伝統的なミントティーも人気メニューの一つです。モロッコの生活を感じられる貴重な時間をお楽しみいただけます。

 

長引くコロナ禍。行動の制限は日常に限らず、旅への影響は測り知れません。でも、コロナ禍でも海外に行けないわけではありません。モルディブは2020年7月から(PCR検査の陰性証明の提示があれば)海外からのトラベラーが隔離無しで入国できるようになり、1島1リゾート環境が自動的に自己隔離&NO密を実現するためか、フライトが充実しているヨーロッパ、ロシア、インドから大量のゲストが押し寄せています。モロッコもまた、2020年7月に国境が開放され、PCR検査陰性証明の提示で、隔離無しでの滞在が許されました。日本に帰国後2週間の自主隔離はあるものの、2020年11月、5カ年計画の大型リノベーションを終え、新しいレストランやバー、ティーサロンが誕生したマラケシュのラ・マムーニアへ、まさに「Withコロナの旅」を体験してきました。新しいラ・マムーニアの魅力と共に、ウィズコロナの旅の様子もご紹介させていただきます。

モロッコ行きが決まった当初、唾液のPCR検査でOK、日本出発時間の72時間以内の検査で、という情報だったため、それに合わせたPCR検査のクリニックを予約していましたが、出発のわずか3日前に、鼻ぬぐいのSwab検査限定だったという情報が入り、しかも現地到着時間の72時間以内の検査とモロッコ政府の方針が変わり、クリニックの変更も余儀なくされました。まさにバタバタです。モロッコに限らず、各国の感染防止対策は変更が多いので、まさに要注意です。幸いモロッコ大使館に時々情報交換させていただいている職員の方がおり、公式発表前に教えていただいたおかげでした。本当に感謝です。

実はフライト手配も困難続きでした。乗り継ぎがベスト(同日に到着できる唯一)のフライトはエールフランスでしたが、減便のせいで乗り継ぎがうまくできない。1泊シャルルドゴール空港ホテルに宿泊して乗り継ぐ作戦にしたところ、パリがロックダウンされ、空港から外に出られない状況に。空港内はラウンジもショップもオール休業中でしたから、ホテルに泊まらないで日付の変わる乗り継ぎは無理、とドバイ経由のエミレーツに変更しました。エミレーツはカサブランカ行きでマラケシュには行けないにもかかわらず、です。かつてマラケシュまで(ドーハから)快適に行けたカタール航空は残念ながらモロッコ行きがなくなっていました。エミレーツ機内は、医療スタッフかと思えるような防護服とマスク+フェイスシールドで身を固めたスタッフと衛生キットに迎えられ、それでも、最初の1杯しかアルコール類は出しません、というエアラインが多いなか、いくらでも要望に応えていただけるのは嬉しかった。出発の成田空港は完全にすべてのショップ、レストラン、ラウンジがクローズしていて、まるでゴーストタウンの体でした。初めてみる無人の景色。それに比べるとドバイ空港は24時間活気にあふれ、いつも(コロナ前)よりは空いているとはいえ、免税店も車が当たる宝くじも全開でした。時系列がくずれますが、成田空港の様子もご覧ください。

カサブランカ空港からは陸路で3時間、成田を出てからすでに24時間経過したころ、やっとラ・マムーニアに到着しました。3年ぶりにやってきたラ・マムーニア。今回のリノベーションはF&B部門に限られていたのですが、客室内のエアコンの温度調節などのスイッチが新しくなり、感染対策か、すべてのレストラン、バーのメニューがQRコードで見られるようになっていました。もちろん、衛生キットも完備。

 

テラスから望む広大なガーデンは変わることなく美しく、遠くに望むアトラス山脈を眺めつつ、あ〜、やっと着いたのねと実感できました。

前置きが長くなりました。1923年の創業以来、6回目の大改装を終えたラ・マムーニアの新しいF&Bの顔を順番にご紹介します。まずは、チャーチルバー(Le Churchill)。かつてはかなり広いスペースだった、サー・ウインストン・チャーチルの名前を冠したこのバーは、コンパクトで「クール」な空間となり、パリ最古のキャビアメゾン「Kaviari」をパートナーとし、キャビア&シャンパンバーとしての顔も新たに登場しました。元のチャーチルバー・スペースの残りの部分はシネマルームに変身です。プライベート上映会や、マラケシュ映画祭には、大物俳優や女優がこぞってこのホテルに宿泊しますから、彼らがホストする上映会なども予想されます。居心地のよい豪華なチェアーとクッションは、シネマルームというより、大型スクリーン付きの居間のような寛ぎのスペースです。

 

そして、チャーチルバーのすぐ横には、ピエール・エルメのティーサロン(Le salon de the par Pierre Herme)が新しく誕生。朝食もアフタヌーンティーも、スイーツ界のピカソと称されるピエール・エルメをたっぷり楽しめる新しいサロンです。

 

 

そろそろメインのレストランをご紹介させていただきます。総支配人のピエール・ジョエムは、レストランを一新する時は、フランス料理の大家でありながらすでにアジア料理やイタリアンで成功を収めているジャン-ジョルジュ・ヴォンゲリスティンをパートナーに迎えたいと数年前から考えていたようです。ジャン-ジョルジュは初のアフリカでのビジネスとして、ラ・マムーニアのパートナーとなり、2軒のレストランを監修するに至りました。

 

その1。かつてフォーマルなディナーオンリーのフレンチレストラン(Le Francais)だった場所が、カジュアルなトラットリア、イタリアンbyジャン-ジョルジュ (L’Italien par Jean-Georges)に変わりました。ランチも楽しめるこのイタリアンは、ピザから本格的なイタリアン・ディッシュまで幅広いメニューが魅力です。レストランの片側一面は開閉可能なガラスの扉で、全開の時はアルフレスコ感覚のダイニングに変身します。フレンチレストランで、世界各地のミシュランの星を獲得し続けているジャン-ジョルジュは、マラケシュ産の食材を中心に、みごとなトラットリアを監修しました。

 

 

その2。元、フォーマルなイタリアンレストラン(L’Italien) だった場所は、アジアティークbyジャン-ジョルジュ(L’Asiatique par Jean-Georges)として一新されました。マラケシュを訪れる欧米人の間でも、和食を含むアジア料理は人気絶頂のようです。シェフ・ジャン-ジョルジュ自身も語っていましたが、(世界的に和食はブームだが)このアジアティークで、本格的な和食を出すつもりはなく、あくまでジャン-ジョルジュ解釈によるアジア料理を楽しんで欲しいそうです。酢飯(シャリ)を揚げたサーモンの握り寿司や、フォアグラ入り餃子にトリュフソースがかかっているのには驚きました。

 

 

ちなみに、イタリアンでもアジアティークでも、デザートはすべてピエール・エルメが監修しています。そのピエール・エルメは2017年に初のアフリカ進出としてラ・マムーニア内にブティックをオープンし、当ホテルのデザートも監修するというパートナーシップを開始しました。今回のリノベーションでさらに新しいティーサロンがオープンしていますが、特筆すべきは、イタリアンバーなどで食べられるロブスターロールやマンゴサラダなどのピエール・エルメの新(ソルティー)メニュー。特に、バーガーbyピエール・エルメは人気で、ジャン-ジョルジュは、「世界一美味しいバーガーだよ」とまで。ラ・マムーニアでしか食べられない貴重なメニューです。

 

 

 

新しくなったバー、ティーサロン、2つのレストラン、さらにプールサイドに新たに作られたカバナや、地下でありながら自然光が入るデザインのワインセラーなどのデザインは、デザイナ−&建築家のユニット、サンジ・マンクが手がけました。パリ、プラザ・アテネの近未来的な内装のアラン・デュカスも彼らが手がけたもの。ワインセラーはL’CEnotheque という名称でプライベートダイニングのベニューとしても大人気です。実際にここでダイニング体験した方によると、ワインのセレクションも食事のクオリティーも素晴らしかったとのことでした。

 

リノベーションを経て新しくなったラ・マムーニアのご案内はここまでですが、最後に今回の滞在中に体験したすばらしいピクニックランチをご紹介させていただきます。実は世界各国より約60名のジャーナリストを招待し、新生ラ・マムーニアのお披露目イベントが開催されていたのですが、当ホテルの広大なガーデンで用意されたピクニックランチは素晴らしかった。70人ものガーデナーにより手入れが行き届いたガーデンに用意されたテーブルセッティングと、ラ・マムーニアのロゴ入りハット。(当然ですが)ピエール・エルメのデザート付きランチセットは一人分ずつ可愛いバスケットに入っていました。これほど大人数じゃなくても、ホテルではガーデンでの朝食やランチの手配をしてくれているみたいです。ラ・マムーニアのFBにこんな写真もありました。

 

昨年11月の時点では、成田空港に到着後、唾液によるPCR検査を受け2時間ほど待ち陰性証明をもらった後は、公共の交通機関を使わないようにという注意を受けた上で帰宅が可能でした。2021年3月の時点で、出発地点の国と地域によりますが、PCR検査で陰性であっても3日間の強制隔離(国指定の空港近隣ホテルに滞在)と厳しさが増しています。今後、ワクチン接種の証明で、出入国の煩雑さがなくなり、自由に渡航が再開されることを心より願います。

Texts by Yuki Obara