シンガポールの中心から車でわずか15分の距離でありながら、緑あふれ、手つかずの自然が残る、セントーサ島はマレー語で「平和」を意味するパラダイスです。(戦時中は「ブラカン・マティ(死の島)」と呼ばれ要塞などが点在していました)以前はケーブルカーか船でしか渡ることができませんでしたが、今は、もちろん車で橋を渡り簡単に行き来することができます。名門ゴルフ場、水族館などはずいぶん前からありましたが、ユニバーサル・スタジオ、カジノ、新しいホテルも次々オープンし、すっかり観光客にも地元の人たちの間でも人気の場所となりました。

そのセントーサ島の老舗ホテルが、シャングリ・ラ・ラサ・セントーサ リゾートです。昨年大規模の改装を終え、すっかり生まれ変わり、グレードアップされました。ビーチを正面に望み、背後は本当にジャングルです。到着時、部屋に案内してもらった時、猿が来るから窓を開けっ放しにしないようにねっ(バルコニーの窓にも注意書きが!)・・・と注意を受け、半信半疑で笑って聞いていましたが、時々猿が何匹かでホテルのバルコニーや屋上部分を歩いているのを発見しました。野生の猿ですが、だいぶ人間に馴れている様子でした。

昨年大規模の改装を終え、すっかり生まれ変わりグレードアップされた客室は、機能的で緑色をアクセントとしたシンプル&クリーンなデザインです。バスルームはかなり大きく、ゆっくりくつろげるバスタブ、シャワーブース完備。全室にバルコニーが付き、客室からの景色はシービューかヒルビュー。スイートカテゴリーには広々としたテラスとジャクージ付きのタイプもあります。またiPod / iPhone用のドックも備えられていて、好きな音楽を聴きながら至福のリゾートタイムを過ごすこともできます。ファミリー・フレンドリーなリゾートなので、当然ファミリー向けの部屋も用意しています。子供向けの窓際にあるソファーはベッドにもなり、3名まで(両親も入れると5名)宿泊でき、ベッドカバーやクッションにはカエルのモチーフがあり、これなら子供たちも大喜びです。

このリゾートはファミリー・フレンドリーで、子供が楽しめる施設が実に充実しています。大きなインフィニティープールの横に、色鮮やかな巨大なレゴのようなものが目に入ります。噴水とシャワーと上呂を組み合わせたようなレゴっぽいエリアの横には子供用プールや水が流れる滑り台もあり、大勢の子供達が、楽しそうに走り回っていました。子供用プールから建物に入るとすぐにクールゾーン(キッズクラブ・・両親は入室禁止・・ってのがイケてますね)があり、その内容はすぐれものでした。

5才から12才までの子供を預かるクールゾーンは、ゲーム室、工作室、娯楽室から成り、娯楽室には2フロアー分の高さの巨大な木とツリーハウスもあり、子供達は木登り、綱登りなど自由自在に遊び回っています。専任のスタッフがけっこうな人数体制で子供達を見守り、一緒に遊んでいるのでパパやママは安心です(食事も提供してくれます)。まだ小さい子供は隣のトッドラー・ルーム(よちよち歩きの部屋)で、保護者と一緒に遊べます。キッズゾーンのオリジナルTシャツにはこのホテルはのトレードマークのカエルがプリントされていてなかなか可愛いですよ。このリゾートのいたる所にカエルのオブジェが・・・実にファミリー・フレンドリーなホテルです。

クールゾーンの隣にあるのが、ラサ・スパ。なるほど、子供をクールゾーンに預けて大人はゆっくりスパ三昧できるという仕組み。賢いし気が利いています。ラサ・スパには10室のトリートメントルームがあり、ワインカラーに近い赤を基調としたデザインです。各トリートメントルームにはトイレやシャワーが完備され、着替えやシャワーも、プライベートな空間でできるのは嬉しいですね。スパメニューはタッチ、グロウ、ラップをベースとした多彩なメニュー、女性のため、男性のためのフェイシャルなど豊富です。足つぼを刺激して、体調のバランスを整えてくれるフットリフレックソロジーはシンガポールの人気マッサージの一つなので、熟練施術師のジャッキーさんのフットマッサージを早速試してみました。スパのスタッフがお勧めするだけあり、足のツボから胃腸が弱い、腰痛注意、水をもっと補給しないと、など言い当てます。45分ほどの施術を受けた後は、むくみ気味だった足も軽くなり、触れていない肩の凝りも心なしか軽減され・・・彼のフットマッサージは「マスト・トライ」と宣言します。

レストランは、Dine on 3というエリアに3件のレストランが集中しています。ディナーオンリーのキャセロールは色々な国の鍋料理を出すユニークなレストランです。日本でも人気があるタジン鍋はもちろん、インド料理、中国料理など、バラエティーに富んでいます。となりは、オールデイダイニングのシルバーシェルカフェ。 朝・昼・晩と種類豊富なビュッフェが人気です(焼きたてのナンが美味しい・・・「写真を撮るのでゆっくりやって」と頼んだら「ヤケドするから無理」って言われてしまいました。そりゃあそうだっ!)。

子供の事も忘れていません。レストランの一角には子供専用ビュッフェ(台が低く、食器もカラフルなプラスチック製)もあり、子供達は自分で選び、自分でお皿に取ることが本当に楽しそう!冷房が効いた室内のみならず、屋外にもテーブルが多数あります。東南アジアの冷房は、日本人にとっては効きすぎの事が多いので、アルフレスコスタイルはありがたいかもしれません。3つめの8ヌードルズは地元のコピティアム風のヌードル・レストラン。中華、マレーシア、シンガポールの人気麺をその名の通り楽しめます・・・この日は。本格的なローカル料理が楽しめるユニークな食堂です。(後日、何種類もの麺を何度も作ってくれたここのシェフとホテルのスーシェフが交通事故に遭い亡くなったという悲しい知らせを受けました。ご冥福をお祈りいたします。)

大人の朝食は、ビジネス・ラウンジがお勧め!

ファミリー・フレンドリーなホテルの場合、当然子供の姿があちこちで見られます。大人だけで滞在している場合、静かな朝食が好ましい場合もありますよね。シャングリ・ラ ラサ・セントーサ リゾートでは、そんなご希望を叶えるべく、こぢんまりとしたビジネス・ラウンジにて、大人のための朝食をご用意しています。こぶりとはいえ、ビュッフェにはアジアのアイテムが充実しており、さらに、親しみやすいスタッフが、「スープ・ヌードルが食べたかったら作りますよ。日本の方はスープ麺がお好きでしょう?」と親切に声をかけてくれました。もちろん、食べたい! ワンタンヌードルとラクサを滞在中に試しましたが、文句なしのアジア麺、美味しい朝食でした。

ビーチは国が所有する土地ですが、ラサ・セントーサ・リゾートのゲストは、ビーチとプールサイドを自由に行き来できます。白砂のビーチ沿いの海は囲われた遠浅のラグーンなので、小さい子供でも安心して遊べます。日が暮れるとこのビーチを利用したウェディングなどのパーティーが開催され、また昼間とは違った姿を見せます。今や国際的近代都市となり、新たに開発された中心地ばかりが注目されがちなシンガポールですが、その街の中心地から車でわずか15分の所に、自然が残り、家族全員で楽しむことができるパラダイスがあること自体うらやましい限りです。





Shangri-La’s Rasa Sentosa Resort, Singapore

シャングリ・ラ ラサ・セントーサ リゾート、シンガポール

ホームページ: 日本語 ・ 英語